個性を出す

今回からは、歌い手の個性についてお話していきましょう。本当の個性というものは、無理やりに出すものではありません。そして、一部の人だけが持っているものではなく、誰もが持っているのです。歌い手にとって個性というのは、ボーカルのスタイルそのものです。無理に個性を作り出そうと、おかしな行動をしたり、声を変えてみたりしてもそれは本質的なスタイルの変化とは言えません。自分が歌いたいと思う曲を、一番気持ちよい形...

現代の音楽では、ステージ上でもレコーディングにおいても、ボーカリストは、ほぼ100%間違いなくマイクを使用します。つまり歌を聴く側は、マイクを通した後のあなたの声を聞くことになります。アマチュア・ボーカリストには、マイクに対して無頓着な人が多く「壊れてなければ何でもいい」と思っている人までいます。しかし、ひと口にマイクと言ってもたくさんの種類がありそれぞれ異なった特徴や音質を持っています。今回は、...

圧倒的な迫力で、聴く人を惹きつける。そんな歌い方ができれば、誰もが自然と興味を持って聞いてくれます。ではどうすれば、そのように迫力のある歌手になることができるのでしょうか？何よりもまず大事なことは、しっかりとお腹から声を出すということです。もう何度も言っていることですが、あなたが歌手になるにはやはりこれが一番大事なことなのです。お腹から声を出すときのポイントしかし、せっかくお腹から声を出しても、の...

歌を聞いた誰もが耳をとめる、そんな聴かせる歌い手になるには、豊かな表現力と、確固たる個性（スタイル）が重要になります。歌い手によって、その個性が大きく違ってくるのがビブラートの旋律です。上手だな、と思える歌い手のロングトーンを聴くと、一定のリズムを保ちながら、心地よく音が揺れているのが分かるでしょう。これがビブラートです。「声を揺らす」といっても、てきとうに、フラフラと揺らしたのではいけません。心...

「いい歌手」と呼ばれるためには、様々な条件があります。どんなに音程がリズムが正確に歌えたとしても、それが心に残るものになるとは限りません。ときには、あえてリズムや音程を崩すことで、聞き手に引っかかりを残したり感情表現とすることも必要になるのです。だからと言って、めちゃくちゃに崩していたのでは、いい歌手にはなれません。それではただの音痴と変わりがないからです。「フェイク」で感情表現を出すテクニックと...

日本の歌手も今は技術や表現力が格段に向上し、英語の歌詞を歌っても、欧米の歌手にも負けない実力を持つ人も増えました。それでも今の日本の歌手は、心に残る歌を歌う人が少ないと言われています。一般にも、カラオケなどの普及ですごく歌が上手な人も多くなりました。音程やリズムが完璧で、フェイクやアドリブなどを駆使して感情表現もできる。それでも、何故か心に響かない。そんな人がたくさんいます。日本のリスナーは、メロ...

最近ではJ-POPでも、歌詞に英語を使う曲がほとんどですね。アメリカなど海外のポップスを歌いたいと思っている人も多くいます。しかしどんなに歌が上手い人でも、歌詞が英語のパートになるととたんにしらけてしまうことがあります。英語の曲を格好良く歌うにはやはり、発音をしっかりと学ぶ必要があります。とは言ったものの、本格的に英語を学ぶのは時間がかかります。じっくりと歌を練習する時間がなくなってしまうかもしれ...

今回は、ロックの歌唱法について説明しましょう。ロックの歌唱法は、綺麗に、正確に歌えば良いとは限りません。わざと音程やリズムを外して歌ってみたり、美声とは言い難いしゃがれたシャウト声を出してみたり、様々な形で歌い手の個性を出しています。ロックっぽい歌い方をするコツは、フェイクとシャウトです。フェイクのやり方はすでに紹介しましたね。ロックを歌うときは、このフェイクを音の頭に持ってくることが多いです。「...